こちらの作品は一点物のため、オークション形式で販売されます。
繊細なタッチで描かれた水仙の花が咲き誇る、ダイニングチェア。机の向こう側から眺めると、まるで花がテーブルの下から咲いているようなデザインです。
座っていない時もあたり一面がほんのり照らされて、春のやさしい陽だまりの中にいるかのように、幸せな余白を作ってくれます。一脚の椅子の存在が、シンプルな空間の中にも自然が息づくような心地よい空気感を作り出します。
この「ルスティックシリーズ」はヨーロッパの生活具をイメージした、民芸調の素朴で温かみのあるデザインが特徴です。長きにわたって多くの方に愛され続けました。
座面には脚のかたちに合わせた削り(斧手(ちょうな)加工)が施されており、座った瞬間にやさしくフィットします。長時間座っていても疲れにくい設計が施されているので、脚への負担を軽減してくれます。カリモク家具ならではの高品質な作りが感じられ、どこまでも快適に過ごせる、日常的に愛用したくなる一脚です。手仕事の温もりを感じさせるシルエットは懐かしくもあり、安らぎを与えてくれます。
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「これは水仙のモチーフです。もともと水仙が好きで。少しプラクティカルな話になってしまうんですけど、このダイニングチェアの背もたれの部分に縦長のエリアがあったんです。そこを埋めたいなと思ったときに、水仙は茎や葉っぱが長いので、遊べるなと思いました」
ダイニングテーブルの向こう側に、このチェアを置いてみる。すると、ちょうどテーブルの向こう側に、彫られた線が金色に塗りこめられた水仙の花が、横一列にぱぱぱ、と咲いている姿が見えるようにデザインしたのだという。家具を手がけるのは今回がはじめてだそう。「想像してみて、すごい素敵なアイデアだなと思った」と、ゆきさんが言う。
「水仙って確か属名が“ナルキッソス”っていうんです。ギリシャ神話の登場人物で、たぶんナルシストという言葉の由来にもなっています」
自分のこういう話にオチはないんですけど、と三宅さんは笑いながら教えてくれる。水面に映った美少年に恋をしたナルキッソスは、それがほかならぬ自分であることに気づかないまま、その場を離れられず、痩せ細って死んでしまう。あるいは水面に映る自分と口づけしようとして、そのまま落ちて水死したかもしれないという説もある。ナルキッソスが死んだ後、そこには水仙の花が咲いた。
いざ描こうとするものに、一歩ぐいっと踏み込んだ先に広がっている世界に出合うのは、面白いことなのだろう。三宅さんがものごとの由来を楽しそうに話してくれる様子を見れば、こちらも楽しくなってくる。知らないものを知らぬままに、自分のちっぽけな思い込みのままでぼんやり過ごすのではなく、これまで一つひとつ調べる営みがからだの一部になっている。だから三宅さんの絵をじっくり見ることは、この世の無数の物語に触れるための、小さなドアノブに手をかけるみたいな感覚がある。
「ニューオールドカリモク制作日記」より
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カラー:ブラウン×ゴールド
サイズ:W×D×H(420 475 810)
素材:ラバートリー材、食堂椅子(ルスティックシリーズ)推定1992年製、2025年再製
技法:イラストレーション、レーザー加工、塗装剥き取り、木地調整、塗装色変更、色摺り込み
作家:三宅瑠人|繊細なタッチの動植物の絵で書籍の装画やパッケージなど様々な媒体へ作品を提供。また、デザイナーとしてもブランディングやロゴデザインを手がけている。最近の仕事に『百年の孤独』(新潮社)装画、『虎に翼』(NHK)ロゴ・ポスターデザインなど。
*三宅瑠人の制作日記はこちらからお読みいただけます*
作家からのメッセージ「飾る花を買い忘れた時でも、向かいに座る相手がいない時でも、テーブル越しに好きな花々を眺められたらいい時間が過ごせそう。もしくは、好きな花に包まれて座るのもいい気分かも。」
一点物のためオークション形式で販売されます。ご購入前に必ずこちらの「ニューオールドカリモク 販売商品について」をご一読ください。
【オークション開催期間】
2025年3月29日(土) 12:00 〜 4月26日(土) 17:59
・家具送料が別途かかります。銀行振込でのお支払いのみとなります。落札した方にのみメールにてお支払いのご案内をお送りします。
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