自らの手で人生を編み、つくる力をこの手に宿す。“生きること”と“つくること”の希望を一冊に綴じた、テキスタイルレーベルYUKI FUJISAWAの初書籍です。
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』は、日本で唯一の女性の手磨りの宝石研磨士や、魔法のような作品をつくる木彫作家、レーベルの顔であるアランニットを編み上げるニッター……。さまざまな手仕事とともに生きる人たちの工房や生活の場を訪れ、ものをつくる女性たちが自らの手で人生を編んでいく生き方や、手でつくる力に宿る希望を綴っています。
表情の異なるきらめく箔押しの表紙、ブランドカラーを用いたシルクスクリーンの裏表紙、宝物のかけらのような貼り込みは、YUKI FUJISAWAのアトリエで一つひとつ、手仕事で仕上げられました。
みなさまにお手にとっていただくどの本も、世界でたったひとつしか存在しない一冊です。

“手仕事の一回性や唯一無二性は、命のそれと同じだと気づいて、そう考えると、手でつくることを愛することは、生きることそのものを肯定することなのかもしれないと思い至る。”
──「はじめに」より
“社会と関わりながら、面倒でも手間がかかっても、浪漫を感じられる小道へ、好きな人たちと手を取り合いながら歩みを進めよう。ほかの誰でもない自分だけができるやり方で。”
──「あとがき」より
(1)書籍「わたしを編む」 ¥4,950
アトリエにて、手仕事で一つひとつの表紙に箔押し、裏表紙にもシルクスクリーンプリントで文字を重ねました。すべてが一点ものの装丁です。
これまでのYUKI FUJISAWAの作品の中できらめいてきた「粉雪」の箔デザインをはじめ、さまざまな模様や色、箔で仕上げた一冊をお届けします。
(2)書籍「わたしを編む」+ うまのはなむけ陶器ボタン(数量限定/オンライン限定) ¥9,350
YUKI FUJISAWA online数量限定で、陶器のボタンが一つ付く特装版です。魚、羊、馬、鳥、蜂、花……今にも歌いだしそうに愛らしく、いきいきとした表情のボタンがランダムで封入されます。ボタンは、書籍にも登場する木彫作家”うまのはなむけ”とのコラボレーションです。
YUKI FUJISAWAが旅したバルトの国々の風景から着想を得て、12種類の模様を色とりどりの陶器ボタンで表現しました。どれも愛らしさ満点。どんな一つが届くか、たのしみにお待ちください。

目次
・はじめに「手の仕事に宿る魔法」──野村由芽
・宝石研磨士・大城かん奈さんが生みだす光 Fragments of Quartz
・旅の話(1)スウェーデン・デンマーク 小さなお土産たちが語りだす、旅の記憶
・旅の話(2)バルト三国 暮らしの営みや、文化をつないでいくこと
・旅の話(3)アイルランド・帰国 本当の願いや祈りが込められた服
・アランセーターお披露目会に向けて。夢のような一日を
・なんでもつくろうとすること。「つくる」力を、自分の内側にたずさえて。木彫作家 “ うまのはなむけ ” のアトリエへ
・すべてわたしが見たもの。糸から伝わる、世界の手触り。朗読会&お披露目会の一日
・編みながら生きていけるという夢を、共に見る (本書書き下ろし)
・Aran Hand-Knitted 2024(モデル:カネコアヤノ、kanae)
・YUKI FUJISAWAについて
・この本を一緒につくった人たち
・あとがき──藤澤ゆき

ブックデザインのこだわり
・装丁:佐々木暁
・表紙:箔押し/YUKI FUJISAWA
・裏表紙:シルクスクリーン/YUKI FUJISAWA
・挟み込み:5つの宝物の断片
・裏見返し:絵/三宅瑠人
全体の装丁は佐々木暁が手がけ、手仕事の痕跡を愛するYUKI FUJISAWAならではのブックデザインを一緒にかたちにしました。揺らぎのある、不完全な美しさ。いつかの誰かの記憶に残るような一冊になるよう、願いを込めています。
表紙にはYUKI FUJISAWAのシグネチャーでもある箔のきらめきを。裏表紙にはブランドカラーの寒色カラーで、本書にも収録しているバルト三国での旅の記録をシルクスクリーンで刷り重ねました。本文には、旅先のレシートや、ニッターの千代子さんからの手紙の複製、箔の抜け殻などを、YUKI FUJISAWAのアトリエで一つひとつ貼り込みました。
裏見返しには、YUKI FUJISAWAのブランドタグなども手がける、イラストレーターの三宅瑠人が繊細に描き込んだ蝶々がはためきます。印刷は、数多くの著名な写真集や美術書を手がける八紘美術が担当。
環境保護の観点から、この本を印刷した時にでた「ヤレ紙」(刷り損紙や余り紙、見本紙など)でお包みしてお届けします。

写真のこだわり
YUKI FUJISAWAのアランニットのシーズンビジュアル(「Aran Hand-Knitted 2024」)として、モデルにシンガーソングライターのカネコアヤノらを迎え、石田真澄が撮り下ろした写真を、16ページにわたってたっぷり収録。西沢立衛設計の名建築“森山邸”の心地よく美しい光や余白とともに、お楽しみいただけるページになりました。

「わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記」
発売日:2025年4月15日
定価:4,950円(税込)
仕様:新書サイズ/168ページ/手製箔押し表紙(モデル:青柳いづみ)/シルクスクリーンプリント裏表紙/コデックス装/貼り込み/帯(書店のみ)
発行者:藤澤ゆき
文・編集:野村由芽
写真:石田真澄
デザイン:佐々木暁
印刷:株式会社八紘美術
製本:株式会社博勝堂

【本書をつくった主な人々のプロフィール】
藤澤ゆき(発行・監修)
テキスタイルレーベル「YUKI FUJISAWA (ユキ フジサワ)」主催。ヴィンテージ衣服のアップサイクルや、ハンドニット、箔や染めによってファッションの新たな価値を形づくる。近年の作品に、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」タイトルバックやカリモク家具との協業。青葉市子やカネコアヤノ、劇団マームとジプシーなど、さまざまなアーティストへの衣装制作や舞台装飾を行う。受賞歴に2016年度TOKYO新人デザイナーファッション大賞など。女子美術大学非常勤講師。
https://www.instagram.com/yuki__fujisawa/
野村由芽(文・編集)
編集と執筆、聞き手。2017年、CINRA在籍時にメディア・コミュニティ“She is”を竹中万季と立ち上げ、編集長を務める。2021年にme and youとして共に独立し、“me and you little magazine & club”の運営をはじめとして、「個人と個人の対話を出発点に、遠くの誰かにまで想像や語りを広げる」活動を行う。共編著に『わたしとあなた 小さな光のための対話集』『me and youの日記文通 message in a bottle』、『おいしそうな文学。』(講談社)など。祖母と編み物、日常にある詩的な跳躍、遊覧、観察が好き。
https://www.instagram.com/ymue/
石田真澄(写真)
写真家。1998年生まれ。2017年5月自身初の個展「GINGER ALE」を開催。2018年2月、初作品集『light years -光年-』をTISSUE PAPERSより刊行。2019年8月、2冊目の作品集『everything will flow』、2021年3冊目の作品集『echo』を同社より刊行。2024年7月千葉県市原湖畔美術館にて展示に参加。
https://www.instagram.com/8msmsm8/
【本書に登場するつくり手のプロフィール】
大城かん奈
宝石研磨士。静岡県浜松市出身。商業映画の装飾・小道具助手を経た後、一級宝石研磨士・清水幸雄氏に師事。石を直接手に持ち、指先の感覚を研ぎ澄ませながら研磨盤に当てカットを施していく甲府の伝統技術「手磨り」によるルースを制作。時代の流れで手磨り職人が減少の一途をたどっているなか、少しでも技術を継承すべく日々研鑽を積んでいる。人の手ならではのダイナミック且つランダムな表現を得意とし、従来の定形カットの概念にとらわれない独自のリズムによるカッティングで、石の自然な表情を引き出している。
https://www.instagram.com/_cannia_/
神崎由梨/うまのはなむけ
木彫り作家。岡山在住。大学在学中に木彫に出会い、2015年から活動を始め、個展を中心に全国各地で作品を発表。2018年から作家名を実名から「うまのはなむけ」へと改名。彫刻やオブジェ、お菓子の木型や照明など、暮らしで使える道具から木版画など、ジャンルに囚われず、木を彫って作れる表現を探求。個展では、会場の空間に合わせた空間表現を試み、物語や魔法を感じる世界観を表現。ライブイベントの空間装飾等も手掛ける。2023年から木工作家の夫とのユニット「Veronica persica」としても活動を開始。建具や家具の制作も行う。
https://www.instagram.com/umanohanamuke/
千代子
ニッター。1950年、山口県生まれ。家族は夫と娘、独立して生活する息子、そして愛猫の純ちゃん。 幼少期から手仕事に魅力を感じ、独学で編み物の技術を学ぶ。山口大学教育学部に進んだ後、編み物を仕事にする道を選ぶ。 40代で本格的にニッターとしてのキャリアをスタートし、その後30年以上ニッターを続けてきた。 YUKI FUJISAWAのベテランニッターとして活躍し、新たな挑戦を続けている。
かなえ
ニットを繋ぐひと。1991年、長野県生まれ。幼少期から祖母が編む姿を見て育ち、自然と手編みの世界に惹かれる。文化服装学院ニットデザイン科を卒業後、手編みに関わる仕事に就き、企業での経験を経て個人での活動を開始。現在は手編み業界を支えながら、新たな未来を切り拓くために奮闘する日々をおくる。ひとりひとりのニッターさんとコミュニケーションを取りながら、手編みの仕事が持続可能なものとなるよう尽力している。
・すべて手作業で仕上げているため表紙のインクや箔がかすれている場合があります。手仕事の風合いとしておたのしみください。
・ポスト投函送料:全国一律385円