こちらの作品は一点物のため、オークション形式で販売されます。
古い塗装を一つひとつ丁寧に剥がし、木そのものの表情を引き出しました。長い年月をかけて育まれた木目は、無垢ならではのやわらかな風合いを持ち、触れたときの心地よさまで伝えてくれます。仕上げにはクリア塗装を施し、木本来の美しさを引き立てました。
このトロリーが刻んできた時間を尊重しつつ、新しい息吹を吹き込むために、木工作家・市川岳人の手によって仕上げた作品を組み合わせています。組み合わせたのは手すり、メインとなる4本の脚。そして車輪のスポークは、交互に元のものを残しました。よく見比べると、元の古家具と新しい木で作られた作品では、木肌の色や表情が異なるのが見て取れます。
異なる時代の手仕事が交差することで、時を重ねた味わいと、新たな手仕事が響き合い、唯一無二の存在感です。
実用性もばっちりなワゴンは、下段はしっかりと高さがあり、収納力も抜群です。かさばる道具や本、食器など、用途にあわせて自由に使えます。上段には低めの囲いがあるので、置いたものが滑り落ちにくく、日々の使い勝手がスムーズに。細やかな気配りが、使い手にやさしく寄り添います。
キッチンやリビングで、日々の道具を支える存在として。喫茶店の片隅で、珈琲の香りを運ぶちいさな相棒として。または画家のアトリエで、絵筆やインクが置かれた伴侶として。このトロリーが、新しい時間の中でまた誰かの手に馴染み、よろこびを運んでいく姿を思い描いています。
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たったひとりで、たった一片の木片と対峙するときの市川さんは、“自分が扱う木は自然や世界から受け取ったものなのである”、という謙虚さを手放さない。自分と同じ生き物である木を扱うにあたって、その葛藤も恵みもないがしろにしないという厳しい豊かさを背負える自分であろうと律しているような姿があった。
それは、たやすく誰かを飲み込んだり、自分も飲み込まれたりしない、自然とかかわり合いながら、手仕事で培ってきた生を積み重ねてきたゆえの、魂の足腰のつよさだと思えてならない。だから木からも祝福されているように見えるのだろうと感じた。だから市川さんの作品は、どこにいても、だれといても、見失うことがない。見ているものの時をとめてしまうほど、光っている。
「ニューオールドカリモク制作日記」より
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カラー:ナチュラルクリア仕上げ(車輪中心部分塗装は白色塗装)
サイズ:W×D×H(1000 520 760)
素材:ナラ材、ワゴン(フラミッシュシリーズ)推定
1977年製・2025年再製
技法:旋盤加工、
塗装剥き取り、
木地調整、
塗装色変更(クリア塗装)
作家:市川岳人(木工作家。1977年愛知県名古屋市生まれ。家具製作、仏壇製作等を経て、暮らしに関わるものづくりをはじめる。)
*市川岳人さんの制作日記はこちらからお読みいただけます*
作家からのメッセージ「
カリモク家具さんとの共作家具の最後の1点はトロリー。
車輪のついた可動式のワゴンです。先に作った2作品の経験を活かして装飾と強度のバランスをうまくミックスできたのではないかと思います。
脚部と持ち手、そして車輪のスポーク部分を新たに削り出しました。製作本数が多く、普段同じ形のものをいくつもつくる作業はしていないため大変でしたが、良い雰囲気に組み上がった姿を見て感動しました。
スポークは元々のものと交互に組み立てていただき、共作感がとても良く現れた仕上がりになったと感じています。」
一点物のためオークション形式で販売されます。ご購入前に必ずこちらの「ニューオールドカリモク 販売商品について」をご一読ください。
【オークション開催期間】
2025年3月29日(土) 12:00 〜 4月26日(土) 17:59
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家具送料が別途かかります。銀行振込でのお支払いのみとなります。落札した方にのみメールにてお支払いのご案内をお送りします。
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